≪プログラミングのこと、学校教育のことなどなど。日頃、学校現場とIT自由研究室で感じたこと。また専門家から聞いたこと・学んだことをつらつら記していきます≫
私はこれまで約6年近く、大学で情報系の科目を教えてきました。延べ500人以上の学生&子どもたちと学んできましたが、その実体験の中で得た事の一つが、プログラミングは独学はお勧めしないという事です。特に、IT系の基礎スキルがない子どもの場合はそう言えると思います。
- 理由1)「なんとなくできてしまう」ので、自分の課題がわからないまま先に進んでしまえる
- 理由2)作品を作っていてエラーがでた時、一人で解決できないと嫌になってしまう
私がこれまでの経験で感じた理由2つですが、詳しくご説明していきますね。
昨今、小・中学校でプログラミング教育が必修化され、子ども向けのプログラミング学習教材が続々と発売されてきています。
また、YouTubeの動画でも優れた教材がたくさんあって独学(自習)で学べる環境がかなりできてきたと言えます。
でも、果たして小学生がプログラミングを独学でどこまで学べるでしょうか?
正直、大人でも独学で習得するのが難しいプログラミングです。
「なんとなくできてしまう」ので、自分の課題がわからないまま先に進んでしまえる
現在、小学校で主に使われているビジュアル言語(※1)という教材は大変優れた内容ですが、「なんとなく」動いてしまうので、なんとなくできた気分になります。
そのため、自分で「何ができていて何ができていないか」を独学で理解するのは非常に難しいと言えます。
(※1)ビジュアル言語とは….IT自由研究室で使っているScratchもその一つです。プログラミングの「コードを書く」と言われる箇所がブロックになっていて、ブロックを組み合わせる感覚で子どもでもプログラミングを学べるよう開発された言語のことです。
作品を作っていてエラーがでた時、どこが間違っているか一人で解決できないと嫌になってしまう
作品を作っていてエラーがでた時、何が間違っているか探す(専門用語でデバック作業と言います。すなわちバグ=エラー箇所を探す)訳ですが、この作業は大人でも、プロのプログラマーにとっても大変なことです。プログラマーの最も重要な仕事の1つと言っても過言ではないでしょう。
ですので、エラーが生じた時に、小学生なら1人でバグを見つけられないのが普通で、時には何時もかかってしまう、、、、。
そういった事が何回か続くと、作品を作る意欲が徐々に失われてしまい、最終的にはプログラミングも嫌いになってしまいかねません。
せっかく芽生えた創造力やプログラミングに対する好奇心の芽が潰されてしまいかねないからです。
私が小学生が独学でプログラミングを学ぶのをお勧めしない理由は、大きくこの2点にあります。
子ども時代に好きになった事や得意になった事は、将来に大きな影響があります。
今、もしお子さまがパソコンやプログラミングに興味を示しているのでしたら、是非、きちんとしたカリキュラムのある教室に通って基礎を習得することをお勧めします。